偶像的キャラクターが人間的キャラクターになるとき〜君に届け10巻までを読んで(1)〜
恋愛漫画の研究をしていたところ、いろいろなところで作品名を目にする少女漫画「君に届け」を実際に買って読んでみました。
すると、興味深いキャラクターの変化が見られたので、まとめておきます。
それはタイトルにもした「偶像的キャラクターが人間的キャラクターになる」と言う変化です。
今回は、創作上のテクニックの分析ではなく、純粋な批評となります。
分析については、またの機会にしましょう。
ネタバレ注意!
先の展開予想につき、的中注意!
まあ展開の予想は外れそうですが、万が一ということもありますので。
主人公爽子とその恋の相手風早に注目していきましょう。
いかにも少女漫画の主人公らしい純粋なキャラクターだった爽子は、風早に恋をするうちに「下心」といういかにも人間らしい要素を獲得します。
クラスの中心人物でいかにもな王子様だった風早は、実は王子様なんかじゃない、ただの人間なんだというような描かれ方に変わっていきます。
このように、最初は漫画・創作的なキャラクターだったのが、話が進行するにつれて、だんだんと普通の人間になっていくのです。
「偶像的キャラクターが人間的キャラクターになる」と言うこともできるでしょう。
この先(注・10巻以降のこと)の予想をすると、このまま「俗の肯定」という聖へと変化していくのではないでしょうか。
ともあれ、先が楽しみです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。