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復活! サブカルをメインに批評・考察・提案するブログです。

ネギまとポストモダン

 ネタバレ注意!




昨日の記事の追記のようなものです。
コズモエンテレケイアの生み出す世界は、ムンドゥス・マギクス崩壊・再構成後に、個々人の幸せを具現化した小さな世界の集合体ということになります。


これはポストモダンによる脱構築に符合します。
ポストモダン以降、大きな物語を失って、小さな物語が無数に生まれたと言われている私たちの現代社会に似ています。
つまり、ネギの、泥臭い現実の世界を生き抜くという選択は、大きな物語を取り戻す動きとも言えるのではないかと。


いかにもアニメ・漫画的だった赤松ワールドのキャラクターたちが、それでも現実を志向するという構図も、大塚英志の言う手塚漫画から連なる「アトムの命題」に合致します。
魔法先生ネギま! は戦後サブカルチャーの総括ともいえる物語になっているのかもしれません。
もしそうなら、フェイトを味方につけることに成功し、さらに現実を切り開くための戦いへ移行していくことが予想されます。
それでもって未来へ行き着くのかもしれない。
そうなると連載はかなり長期化してしまうことも予想されるわけですが……しかし、ネギまはエピソードを引き伸ばしたりはせず、あくまでネタの多さで長期連載をしているので、もしさらに続くとしても、いつまでたっても完結が見えないような状況にはならないのでしょうね。
余談ですが、私はチャオを改造したのはネギだと思っているのですけれど、実際の答えはいつか明かされるんですかね……興味深いところです。
ひょっとすると、チャオの呪紋は、魔法を発動させるための、指輪や杖よりも上位の何か大本の媒体(=大きな物語)がムンドゥス・マギクス崩壊とともに失われた未来だからこそ、個人の紋様(=小さな物語)を媒体にして魔法を発動させなければならなくなったのではないでしょうか。
少々穿ちすぎな気もしますが……大本の媒体が破壊されてしまったこと自体は正しいかも。ってそれはそうか、「この時代の使い手は〜」という発言がありますもんね。




あと、幻想空間を破る回数だけを見ると「三回の魔法」になっているかもしれないと思ったり。
これは、破っているキャラクターがそれぞれ違うので、大分メタ的な話になってしまいますが……


参考文献
動物化するポストモダン東浩紀
「キャラクターメーカー」大塚英志


また何かあったら書きます。
それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。