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目をそらしている一面――MUSICA! 体験α版感想

 PCゲームブランド・OVERDRIVEの完全新作であるところの「MUSICA!」の体験α版……つまり普通の体験版よりもさらに体験用、全体の雰囲気や作りたいもの、目指している方向などを知らせるためのものをプレイしたので、その感想を、極力ネタバレしないように書いていきたい。

 それでも問題がある場合はお知らせください。対処いたします。

 ちなみに、5~6年前に買ったはずのDELLのinspiron15インチで無事動作しています。

 

 システム面や一部の読みにくい点、および誤字脱字等は、ここでは触れない。私が思いついた前者はすでに挙げられていることだし、後者は、体験α版なのだからどうでもいい。

 

 結論としては最低でも本編とアルバムCDがリターンに入っている支援をしたくなった、というところである。

 

 まず、文章表現はさすがの一言(私が拙いだけかもしれないが……)。

 ただ、比較的難しい漢字を使われる方のようなので、フリガナがあると嬉しいかもしれない。もっとも、ボイスでフォローできるならそれでもいいし、もしフリガナを入れるためのプログラムの改善が大変なようならスルーしていただいてかまわない感想である。

 また疑問に感じたのは、なぜクラスメイトのキャラクターの紹介を、地の文で簡単に済ませてしまうのか、という点だ。エピソードで語らないのはなぜだろうか。体験α版だから、概要をつかんでもらうためにそうしたのだろうか。

 もっとも、簡単に済ませているようでいて十分面白い文章なのだが。面白いは正義だから関係ないのかな。

 

 絵は線画なのに色っぽい。色がついた製品版などの絵に期待したい。

 定時制を扱うと、いろんな可愛い服の女子(ヒロイン)を出せるという利点がある。

 普通の……全日制の学校を扱うと、制服がたいていあるわけだが、ゲームデザインという観点から見ると、個性豊かな、多様なキャラクターが、みんな同じような服を着なければならないのは、キャラの魅力を誇張するにあたっては結構厳しいハンデだ。しかし定時制の場合、制服を着なくてもいいので、キャラのイメージのための服を着せることができるというわけだ。

 素晴らしい。

 

 主人公が一人称で語るゲームであるわけだが、素晴らしい地の文で語らないと、このライターさんの魅力を最大限生かせない。しかし一人称である以上は主人公の実力以上の文章を出せないとも言える(無視することもあるが)。例えば「涼宮ハルヒの憂鬱」の主人公のキョンは、理屈っぽいなどのその性格からして違和感がなかったわけだが、この作品もその問題をキャラ設定の点から鮮やかにクリアーしている。お見事。

 

 終わりの方の意外な展開は、Twitter上の無数の感想を見ているのだから覚悟をしていたはずなのに、それでも意外で、目の前が真っ白になるかと思った。

 ところで意外と感じるということは、それまでの予想を裏切るものであり、つまり予想した部分に期待を寄せて、予想した部分に目を向けていたからそう感じるわけだけれども、そうしているということは、他方、目をそらしている別の面があるということでもある。そこに気が付かせたかったのではないか。

 それこそが本作全体のテーマであり、描きたいことなのかもしれない、と勝手な予想をして、結びに代えさせていただく。

 

 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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