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復活! サブカルをメインに批評・考察・提案するブログです。

ミルキィホームズの在り様

 ネタバレ注意!
 下ネタ注意!
 アニメしか見てません! 
 12話まで見ました。



根っこは現代への風刺で、特に現代オタク文化の風刺と考えられます。


探偵と怪盗というのは、日本社会の欠点を端的にあらわしているように思います。
あら捜しをして、ちょっとした欠点があればそれで終わり。
日本での大人とは、正義ではなく悪を活用できるかどうかが問われているように思えます。
義賊になれるかどうか。


オタク文化への風刺が入ってるから、特別な魅力(=トイズ)を失った萌えキャラ(=ミルキィホームズ)の主食はきのこ(男性)であり、また、バナナで釣られたりするのではないでしょうか。
探偵ものとしての皮を被っているとはいえ、頭かくして尻隠さず、推理ものとしてはまったく成立していません。意図的にそう作られているはずです。
トイズという常識外のものが、持ち込まれている時点で、普通の推理は放り投げられているはずだと考えます。


探偵・怪盗の要素を現実の比喩として捉えるとして、しかしミルキィホームズの本質がどこにあるかと言えば、現実ではなく非現実、トイズ、創作要素です。
だから、推理もののパロディではなく、作り物としての存在のメタファとして、ラストに「サイボーグ009」のシーンをパロディ元として引っ張ってきたのでしょう。


何かおかしい、何か足らない、とは思っていましたが、ホームズの敵はルパンではなく、モリアーティ教授ですね。
ルパンと競演した作品自体はあるものの。
作品として完結させるための説明が不十分、しかも、唐突に風呂シーン挿入、一度死ぬ(宇宙(天)から地上へ)、地に埋まる、橋から川に落ちる、などと再生要素に落ち着いてるのは、続編があったからなんですね。
早く見たいなあ……


少し予想も書いておきます。
ミルキィホームズの敵役としての立場を確立したアルセーヌが、その立場を奪われそうになるのが続編なのでしょうか。
終わらない文化祭、美しい夢のような、永遠の追いかけっこを望むアルセーヌ。
しかしそれは崩れる……第一話からすでに崩れているし、サイボーグ009ネタに入る前に自ら岩を崩壊させたのも一つの比喩なのですが、続編では崩壊が完全に突きつけられるのでしょうね。
視聴者の分身はミルキィホームズではなくアルセーヌだったと。


とりあえず、期待して待つことにします。


パロディ元をすべて網羅しないと、本当には何をやってるのかわかりづらいし、私の考察もその辺で誤りがあるかもしれません。
ある意味で非常に高尚な内容になっているわけです。
でも、わからなくてもおもしろい。
恐ろしい完成度ですね。